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小児鍼ってなんだろう?

大人の鍼は、体の経絡のツボに対して、非常に細い針を刺して刺激することによって、自然治癒力を高めることを目的とした施術です。ツボを刺激することによって、経脈を整え、体内の循環システムを整えることによって、人間の自然治癒力が発揮されます。鍼は、この人体の循環システムを効率よく整えることができる道具なのです。自然治癒力を高めると言う目的自体は、大人の鍼でも小児鍼でも違いはありません。

ただ、大人の場合には、そうやって人間の自然治癒力を高めることによって、治癒することができる適応症としては、神経痛や自律神経失調症、関節炎やリウマチ、五十肩や腰痛、高血圧や低血圧症等々、所謂大人の病気となります。これに対して、小児鍼を用いるのは、生後1ヶ月からせいぜい12歳程度の子供です。小児鍼の特徴は、刺さないことにあります。針を用いて刺すことをせずに、ローラー型の鍼や或いは鈍頭の鍼で経絡を優しく撫でるように刺激するだけです。

そのため、子供が怖がったり、痛がったりすることはありません。また、小児鍼の適応症は、夜泣きや疳の虫、おねしょ、小児喘息、虚弱体質の改善などと言った子どもの病気や子供特有の症状となっています。但し、大人の中にも針を刺されるのが我慢できない方もいらっしゃいますので、そのような方は小児鍼を使用します。